美しい川を未来の君へ
「魚道」とは
魚が生息する河川には、人々が豊かで安全に暮らせるように、水道水を貯めるダム、水害を防ぐダム、水力発電するダム、工業や農業で水を利用する取水施設、土石流を防ぐ砂防の施設、山の崩壊を防ぐ谷止めや堰堤があります。しかし、魚が移動するとき、その施設の段差が邪魔をします。その段差に階段状の水路や傾斜を緩くした水路を作って魚を上らせる施設を「魚道」といいます。魚道にはさまざなま種類や形、大きさがあります。
研究会の主な活動
魚道清掃活動
毎年、道央地区、日高地区、道南地区で土砂や流木が支障となり機能不全をおこしている魚道施設の清掃活動をおこなっています。
河川環境教育
幼児から小学生を対象として川遊びから河川環境や生態系を学びます。
魚道技術、河川環境技術の向上
毎年、魚道や河川環境に関するさまざまな専門家や研究者を講師に招いてをおこなっています。
魚道施設情報と管理方法の研究と支援
国交省、農林水産省、地方自治体からなる各魚道管理者と情報交換をおこない魚道施設情報のデータベース化をおこない魚道管理、研究に役立てる活動をしています。
環境の時代とともに
設立趣意
「戦争の世紀」とも言われ産業革新、技術革新が急激なスピードで展開された20世紀が過ぎ去り、現在、我々が生きている21世紀は「環境の世紀」と言われています。
日本の都道府県の中で自然が残っているといわれる北海道においても、つい30~40年ほど前まで豊かだった自然は、人々の生活が向上することと反比例するように失われてきています。
私達は、社会・生活環境の整備と自然環境の調和を念頭に置き、これまで携わってきた河川を中心とした構造物の設計や施工の経験を踏まえ、河川環境の保全と回復のための活動を通じ、「環境の世紀」の社会のあり方を考えていこうと思っております。
私達は、この活動のベースを「魚道」に置き、魚道から提起される種々の課題「河川生物の生態」、「周辺環境」、「構造物の設計・改良」、「維持管理」などを通して活動目的である「河川環境の保全と回復」を図ることとしております。また、目的達成のためには、一部の技術者だけでなく、地域住民、河川を利活用する関係者など多くの方々とともに意見交換し、行動していくことが必要だと考えております。
そのために、今般、「特定非営利活動法人 北海道魚道研究会」を設立し、自然と人間の調和のとれた心豊かな地域社会づくりを目指すものであります。
目 的
魚の心がわかる魚道づくりをテーマに魚道についての研究・啓蒙・ボランティアによる維持管理を行い、自然環境の回復に寄与する。
■特定非営利活動
- (1) 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- (2) 環境の保全を図る活動
- (3) 子どもの健全育成を図る活動
- (4) 科学技術の振興を図る活動
- (5) 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
■特定非営利活動に係る事業
- (1) 河川環境の保全・回復を図る事業
- (2) 魚道に関する研究及び技術の開発・振興に関する事業
- (3) 魚道の維持管理に関わる事業
- (4) 河川に生息する水棲生物の調査・研究に関わる事業